抗がん剤

日本においてはヤクルト本社が販売しており、オペプリムはその商品名です。

1949年、殺虫剤であるクロロフェノタン(DDT)の誘導体であるジクロロジフェニルジクロロエタン(DDD)において、副腎皮質に対する選択的な壊死作用があることが発見されました。
そして、その後に副腎ガンに対する抗がん剤として、クロロフェノタン(DDT)と類似する構造を持つように開発された薬剤がミトタン(オペプリム)となります。

ミトタン(オペプリム)は、日本においてはヤクルト本社が販売しており、オペプリムはその商品名となっています。

ミトタンは副腎皮質から発生したガンを縮小させたり、クッシング症候群に対する治療効果を示します。

クッシング症候群とは、副腎の過剰なホルモン分泌によって発生する症候群です。

ミトタンの作用としては、副腎皮質の細胞のミトコンドリアを選択的に阻害することによって、薬理的に副腎排除を行います。

ただ、ミトタンはコレステロールオキシターゼも同時に阻害してしまうため、服薬すると高脂血症を引き起こしやすいという性質も持っています。
また、ミトタンは犬の下垂体性のクッシング症候群の治療にも用いられており、この投薬時には副腎組織の破壊を制御することによって、コルチゾール産生抑制を促します。

ミトタンはの代表的な副作用としては、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛等の消化器症状が主となっています。

そのため、副作用の症状が重くなると、胃腸から出血したり、胃潰瘍になってしまったりということもあります。
また、めまいや眠気などもミトタンの副作用の症状では多くみられ、皮膚に発生する副作用としては、かゆみ、発疹、脱毛が発生する場合も多く、稀ではありますが、紅皮症が発生するということもあります。

さらに、副腎不全や、腎臓・肝臓の機能低下といった症状が発生することがあり、歩行不安定、頭痛、言語障害、ふるえといった神経系の障害が発生するということもあるようです。

そして、稀ではありますが、妄想を見たり、認知症状が発生するということもあるようです。
その他のミトタンの副作用としては、貧血、むくみ、尿量減少、低血糖、倦怠感等の症状が発生するということもあります。また、肝機能障害や黄疸といった症状が発生することがあります。

肝機能障害では、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALPといった肝機能の値が著しく上昇する場合がありますので、ミトタンの服用中には定期的に検査を受け、肝機能の観察を十分に行いながら服用を続けていくようになります。

ミトタンの使用上の注意として、利尿剤のスピロノラクトンと併用すると、ミトタンの抗がん作用を低下させる恐れがあります。

また、ペントバルビタールという催眠鎮静剤と併用すると、ペントバルビタールの催眠作用を低下させる恐れがあるため、併用することはできませんので注意しましょう。
また、ミトタンを長期に渡って、連続で大量に服用すると、脳に機能障害が発生することがあるようです。

さらに、無月経となっていた方が、ミトタンを服用することによって月経が始まってしまうということもあります。
そのため、ミトタンを服用している時期や、ミトタンの服用を終了した後の十分な期間においては、避妊をすることが必要となります。

最後に、ミトタンは妊婦の方が服用した場合における安全性は、まだ確立されていません。

そのため、妊婦の方については、このような安全性に対するリスクを上回る治療効果があると判断されたときのみ、服用するようになります。
妊婦の方は、担当の医師からミトタンによる治療についての説明を十分に受け、リスクについてもきちんと理解したうえで治療を始めるようにしましょう。

【まとめ一覧】ホルモン剤の種類

リュープロレリン(リュープリン)
>>性腺刺激ホルモンのLH-RHによく似た構造を持っているホルモン剤

メピチオスタン(チオデロン)
>>抗エストロゲン作用、アンドロゲン作用、アナボリックステロイド作用を持つホルモン剤

メドロキシプロゲステロン
>>代表的な合成黄体ホルモン薬

メチルテストステロン(エナルモン、エネルファ)
>>男性ホルモンであるテストステロンにメチル基を結合させたホルモン薬

ミトタン(オペプリム)
>>副腎皮質から発生したガンを縮小させたり、クッシング症候群に対するホルモン薬

ホスフェストロール(ホンバン)
>>副男性ホルモンであるアンドロゲンの作用を抑える働きのホルモン薬

プレドニゾロン(プレドニソロン、ブレドニン、プレドハンほか)
>>合成副腎皮質ホルモン製剤で、コルチゾールから作製されているホルモン薬

フルタミド(オダイン、フルタミド、フルタメルク)
>>男性ホルモンの働きを制御する薬




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